税理士と始めるマネーフォワードクラウド導入のメリットと準備手順

クラウド型がもたらす情報共有の利便性

クラウド会計ソフトでは、アカウントのIDとパスワードがあれば、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末からでもアクセスできます。税理士とアカウントを共有すれば、税理士が使っている端末からタイムリーに最新の仕訳データなどを確認したり編集したりすることが可能です。

さらに、多くのクラウド会計ソフトは、ネットバンキングやクレジットカードの明細と連携し、自動で仕訳を行う機能を備えています。このため、税理士側でも取引の根拠を直接確認できるようになり、通帳のコピーや領収書を提出する手間が大幅に削減されます。

リモート化と業務効率化への対応

税理士がアカウント情報を持っていれば、いつでも仕訳データにアクセスできるため、対面での打ち合わせにこだわる必要が少なくなり、リモート化しやすい環境が整います。また、スキャン機能を使えば請求書やレシートを電子データ化できますので、郵送の手間も省けます。

このように、クラウド会計ソフトは従来型と比べて、税理士との情報共有が格段にスムーズになり、業務の効率化とミスの削減につながる仕組みです。

税理士との連携で得られる効果

税理士とクラウド会計ソフトを共有すると、データのやり取りに関する手間が大きく削減されます。従来のように通帳のコピーや領収書を郵送したり、メールでデータを送信したりする必要がなくなり、税理士はリアルタイムで最新の帳簿を確認できます。これにより、月次決算のスピードが上がり、経営判断に必要な情報を迅速に得られるようになります。

また、インターネット環境さえあればパソコンやスマートフォン、タブレットなど、複数の端末からアクセスできます。税理士との打ち合わせもオンラインで画面を共有しながら行えるため、訪問や来社の手間が省け、リモートでの相談がしやすくなります。

導入時に注意しておきたい点

クラウド会計ソフトにもデメリットがあります。インターネット経由でサービスを利用するため、セキュリティ面での不安を感じる方もいるかもしれません。ただし、多くのクラウド会計ソフトは金融機関レベルのセキュリティ対策を実施しており、通信の暗号化や二段階認証などで大切なデータを保護しています。

また、クラウド会計ソフトは自動連携や自動仕訳といった便利な機能を備えていますが、あくまでツールであり、すべての会計処理を完全に自動化できるわけではありません。複式簿記や税法の知識が必要な判断、複雑な税務申告書の作成などは、税理士の専門知識が不可欠です。

このように、クラウド会計ソフトは業務効率化に大きく貢献しますが、税理士のサポートと組み合わせることで、その効果を最大限に発揮できます。

導入する目的を明確にすること

なぜクラウド型会計ソフトを導入するのか、どのような課題を解決したいのかを具体的に整理しましょう。たとえば、日々の入力作業の効率化を図りたいのか、税理士とのデータ共有をスムーズにしたいのかによって、必要な機能や運用方法が変わってきます。

利用する機能の選定と既存業務の見直し

クラウド型会計ソフトには、会計機能だけでなく、給与計算や経費精算、請求書発行などのさまざまな機能が用意されています。自社でどの機能を利用するかを決め、銀行口座やクレジットカード、POSレジといった既存のシステムとの連携可能性を事前に把握しておくことで、導入後の自動化をより効果的に進められます。

社内体制の整備と税理士との連携準備

クラウド型会計ソフトの導入は、経理担当者だけでなく企業全体に影響を与えます。そのため、導入の目的や期待される効果を社内全体に周知し、理解と協力を得ることが必須です。

税理士との連携を前提とする場合は、事前に税理士と相談し、どのように運用していくかを話し合っておくことも大切です。税理士がクラウド型会計ソフトに精通しているかどうか、アカウント共有の方法、チェック体制や月次決算のスケジュールといった具体的な運用方法を事前に決めておくと、導入後のトラブルを防げます。

クラウド型会計ソフトは、専任の担当者によるサポートを受けながら導入を進めることで、最短1か月程度で運用を開始できるケースもあります。事前準備をしっかりと行い、税理士とも密に連携することで、導入後の効果を最大限に引き出せるでしょう。