【東京】税理士顧問の相場を知り顧問料変動の仕組みを理解する

年商規模別の顧問料相場

税理士への支払いは事業の年間売上で変わります。年商1,000万円に満たない事業者なら月2万円程度、3,000万円から5,000万円規模なら月3万円から4万円、1億円を超えると月5万円以上が一般的です。売上拡大に伴って取引件数や記帳作業が膨らみ、専門家の負担が増すため、報酬も比例して上がる構造です。

都市部と地方の料金差

東京をはじめとする大都市圏では、地方に比べて税理士への支払いが高めとなる傾向が見られます。大都市では店舗賃料や人材コストが高いため、月3万円から5万円が標準的です。対して地方なら月1万円から3万円程度で、都市部の半分から3分の2の水準が多く、地域差で2倍近い開きが生じることも珍しくありません。

訪問回数による料金変動

専門家が事業所を訪れる頻度も料金にかかわる要素です。年1回の面談なら低額ですが、毎月の訪問を希望するとその分の費用が追加になります。ただし訪問が増えれば手厚い支援が期待でき、節税提案や経営の助言など、支払い以上の価値を得られる可能性があります。最近はオンライン面談で訪問費用を抑えながら、定期的なやり取りを実現する事務所も増えています。

要因1：企業の売上規模

年間の売上額は、支払いを決める最大の要素です。売上が伸びるほど取引記録や仕訳作業が増え、専門家の作業負担が大きくなるため、報酬も上がります。年商500万円未満の小さな事業と5億円超の企業では、月々の支払いに数万円から数十万円もの開きが出ることも普通です。

要因2：従業員数と給与計算業務

従業員の人数も料金に響く要素です。とくに給与計算や年末調整を任せる場合、顧問税理士に支払う年間費用＋従業員数に応じた費用が追加されます。

1年間の費用例（従業員1人あたり1,500円の場合）

• 従業員15名の場合：1,500円×15名×1年間（12か月）＝27万円
• 従業員30名の場合：1,500円×30名×1年間（12か月）＝54万円

要因3：税理士の訪問頻度

専門家が会社を訪れる回数も料金変動の要因です。訪問は年1回、3か月に1回、毎月などさまざまで、頻度が上がるほど料金は増します。例えば、年間売上が1,000万円～3,000万円の法人の場合は、以下のとおりです。

訪問回数：年1回の場合（記帳代行は含まない）

• 税理士顧問料相場1.7万円（月額）×1年間（12か月）＋決算申告費用相場13万円（年額）＝33万4千円

訪問回数：3か月に1回の場合（記帳代行は含まない）

• 税理士顧問料相場2万円（月額）×1年間（12か月）＋決算申告費用相場9.5万円（年額）＝33万5千円

要因4：記帳代行の有無

帳簿作成を依頼するかどうかで、料金は大きく変動します。自社で処理すれば抑えられますが、代行を頼むと月5,000円から3万円程度の追加負担が発生します。

要因5：依頼する業務の範囲と難易度

専門家に任せる業務が広がるほど、料金は上がります。基本的な税務相談や決算処理だけでなく、資金調達の支援や経営助言、税務調査の立ち会いなど高度な業務を加えると、別料金が必要です。資金調達支援なら融資額の3％から5％、税務調査対応なら日額4万円から6万円程度が目安となります。

要因6:税理士の経験と専門性

専門家の経験年数や得意分野も料金に影響します。実績豊富なベテランや、特定業種に詳しい専門家は、若手と比べて高めの設定になることが一般的です。

料金体系の透明性を確認する

投資効果を見極める最初のステップは、料金構成が明瞭かどうかの確認です。毎月の定額に何が含まれるのか、決算費用やオプション料金がどれくらいかかるのか、契約段階で丁寧に説明してくれる専門家を選びましょう。相場を大幅に下回る設定の場合、後から高額な追加請求が発生するおそれもあります。

自社のニーズと契約内容の一致度

専門家に求める支援内容と契約範囲が合致しているかも着目点です。創業直後なら資金調達の支援が必要ですし、成長段階なら経営助言や節税提案、税務調査対応などが求められます。月々の支払いが安くても、必要な支援が追加料金扱いで結果的に高額になるケースもあります。

コミュニケーションの取りやすさ

専門家とのやり取りがスムーズかどうかも投資効果を左右します。疑問や相談に素早く応じてくれる専門家なら、経営判断を適切なタイミングで下せます。最近は、チャットツールやオンライン会議を使い、訪問を減らしながらも密な連絡を保つ事務所も増えています。

税理士の専門性と実績

専門家の得意分野や実績も投資効果を測る判断材料です。自社の業界に通じた専門家なら、業界ならではの節税策や経営課題に的を射た助言を得られます。創業融資の実績が豊富なら資金調達が円滑に進みますし、税務調査対応の経験が充実していればいざという時も安心です。

サービス範囲と業務効率化の提案力

税務処理だけでなく、管理部門全般の効率向上を提案してくれる専門家は投資効果が高いといえます。クラウド会計の導入支援や経理業務の改善など、業務全体を最適化することで経営者が本業に専念できる体制を作ってくれる専門家は、単なる税務処理を超えた価値を生み出します。